クロウカードとアイツ
「急々如律令!」
小狼の羅針盤から光線が発せられ
彼女が隠しているそれを指した。
-クロウカード-
(みつけた!!
アイツが持っていることは昨晩からわかっていた。
今ならまとまって手に入れることができる。
これからは俺が集めるんだ。
そして、魔力を高めていくんだ)
小狼は、散らばったクロウカードを集めるために
香港から日本に来たのだった。
「出せ!クロウカードを」
「ダメッ!」
彼女は抵抗して必死にスカートのポケットを抑えた。
(早く俺に渡せばいいものを・・・
アイツはどうしたら素直にカードを渡してくれるのか)
「そうか、そのポケットか・・・」
小狼は、じりじりと彼女に詰め寄った。
そして、抵抗する彼女の腕をつかみ
全力でスカートのポケットに手を伸ばした。
クロウカード目掛けて一直線に。
その時だった。
(今触った柔らかいものはなんだ?
アイツの下腹部のあたりか・・・)
小狼はスカートの中で触れてしまった
熱を帯びている何かに気づいた。
冷静に振る舞っていても、内心はその柔らかさに驚いていた。
距離をとった後、気になってチラッと彼女の様子を探る。
フェンスに寄り掛かり溜息をつく彼女の頬が
ピンク色になっているように見えた・・・
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